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オネェ系~ニューハーフ [性の多様性]

日本のテレビのバラエティ番組などには、セクシュアルマイノリティ表象をともなった芸能人が多数出演している。
これに対しては、本来は日本社会には同性愛やトランスジェンダーなどに寛容な文化的特質があり、古来よりそうした多様なセクシュアリティを積極的に取り入れた芸能を愛好してきた歴史が、現在もなお息づいているのだという指摘もある。今日の日本におけるホモフォビアやトランスフォビアが、明治以降に近代化の過程で西洋から輸入されたものだという側面も、たしかに大きいので、これは一面の真理ではあると言えよう。
しかし、メディアの中に描かれる性的少数者にかんしては、楽観的に見過ごしてはいられない問題も多々ある。
昨今のテレビではセクシュアルマイノリティ表象をもつ芸能人をひとくくりに「オネェ系」として扱い、同性愛者とトランスジェンダーが混同される趨勢に拍車をかけている。
MtFトランスジェンダーが夜の飲食店などで接客業に就労しているケースを「ニューハーフ」と呼ぶことがあるが、こうしたニューハーフらをとりあげた特集番組などでも、かつてはある種の「珍獣」としての位置付けでスタジオに複数集め、面白おかしく弄って嘲笑って愉しむようなつくりのものが主流であった。
最近でこそ、彼女らの人格を尊重した真摯な取材に基づく番組もたまにあるが、テレビのバラエティ番組全体の傾向は、大きくは変化していない。油断するとホモネタ、オカマネタのギャグが、突然飛び出してきたりすることもよくある。
ドラマやドキュメンタリーといったジャンルの番組であれば、相対的に丁寧で良心的なつくりの場合も多いが、どうしても一般向けのわかりやすさに傾斜した「LGBT特集」に陥りがちで、バラエティとは別の意味で偏った内容であることがしばしば見られる。
メディアが多極化した近年になってもなお影響力が非常に大きいテレビが、誤った認識を助長する情報を発信し続けるかぎり、いつまでたってもセクシュアルマイノリティへの偏見が再生産され、差別がなくならないという悪循環は断ち切れない。日本社会では、性の多様性にむしろ好意的な文化的風土の上であるがゆえに、西洋的なフォビアに基づいた言説もカジュアルに表出するために、その結果としてセクシュアルマイノリティにとってシビアな状況が日常の中で恒常化してしまっているのだとすれば、それを改めていくためにも、正しい情報を不断に発信していく使命は、マスメディアにとって非常に重いと言えるだろう。